「レンタルピアノ」で再開するメリットと留意点

ピアノ演奏

ピアノの購入、「継続するのか」が不安

子供の頃に弾いたピアノを再開したい! そう思った時、一番ハードルは「ピアノを手に入れる」ことでは?

ピアノは高価な買い物です。電子ピアノで5万円くらいから、アコースティックのアップライトピアノなら中古でも20万円くらいします。

大人の趣味は、山登りであれ、ヨガであれ、ピアノであれ、始めたはいいけど、果たして継続するのか? ここが一番不安なところ。ピアノを買って長続きしなかった場合は、お金はもったいないし、家の中のスペースをデンと占拠するし……。

そこで、大人が再開する際は、まずはピアノを借りる「レンタルピアノ」を利用してみるのも手。レンタルピアノのメリット、注意事項をまとめてみました。

レンタルピアノのメリット3つ

継続できるかどうか? 冷静になれる

先ほど述べたように、大人の趣味を継続できるかどうか、自信がない人が多いはず。数回やって放置したままの英会話教材、一度だけ山登りしたまま、履かなくなった登山靴等、「宝の持ち腐れ」になることはありがちです。ピアノも同じで、せっかく高い買い物をしたのに、弾かなくなってリビングの置き物になるのは避けたいところ。

そこで、まずは半年間、レンタルピアノで試してみる。これなら数万円の投資で済むので、長続きしなかった時のリスクが小さいです。半年間使用するうちに、一時的な熱だったのか、ずっと続けていけそうなのか、冷静になれるものです。

購入前に自宅でピアノを試し弾きできる

購入を検討中のピアノと同じ型式のものがレンタルできるなら、実際に弾いて試せるメリットは大きいです。例えば靴。お店の中で試し履きしてみたときには気が付かなかったのに、実際に街を歩いてみると違和感がある場合がありますね。ピアノも同じで、実際に自宅で弾いてみることで、相性を確認することができます。

実際の弾き具合もさることながら、何よりサイズの確認ができるメリットも大きいです。広くて、天井が高い楽器店で見るのと、実際に家に置いてみるのとでは、サイズの印象が違うもの。電子ピアノであっても、ピアノはスペースを取りますからね。

自分にとって必要な機能を吟味できる

電子ピアノの場合は、チェンバロ、オルガン、ストリングス等、いろんな音で弾けたり、移調ができたりと、いろんな機能が付いています。お店で試してみると便利そうで、購入する際、多機能のものを選んでしまうことも。ところが実際に自宅で弾いてみると、使う音色はピアノ、チェンバロ、オルガンの3種類程度。移調機能、MIDI接続などは使わなかったりします。

ひと月ほど使用することで、本当に必要な機能を見極めていくことが可能です。電子ピアノの場合、たいてい余計な機能だったりするものです。

レンタルピアノを利用する際、ここに注意

レンタル日数を決めてから料金比較を

レンタル価格は会社によりさまざまですが、まずは3ヶ月間、半年間等、レンタルする期間を決めて、会社ごとに日割りで金額を算出することをお勧めします。

逆に価格(お財布事情)を基準にして、会社とレンタル期間を決めると、本来、「再開したピアノへの向き合い方を試す」という目的が、ぶれてしまう可能性があります。

全国規模のレンタル会社? 地方の楽器店?

ピアノレンタルを行っている会社は大小さまざま。ただ、可能なら楽器に特化したレンタル会社の方が安心である気がします。

ピアノ以外になんでも取り扱っている全国チェーンのレンタル会社もありますが、地方・地元の楽器店が運営しているレンタルピアノの方が、調律やアフターサービスという点では安心できそうです。

ただ、レンタルピアノはレンタル費とは別に、初回、高額な配送料が必要な場合が多いので、配送可能なエリアはサービス会社の選択基準になるでしょう。

もしもの時の「保険・補償」について

長期間、ピアノを借りていると、地震・火災のほか、子供やペットが悪さをして、ピアノを傷めてしまう可能性があります。借り物ですので、通常は全額を自己負担する必要があります。

そこで、あらかじめ、損害保険や補償サービスの有無も確認しておきたいところ。保険料は料金に含まれている場合もありますし、オプショナルの場合もあります。

「買い取り」は可能なのか?

購入を検討している型式のピアノをレンタルした際、半年間、弾いてみて気に入る場合があります。アコースティックピアノは工業製品とはいっても、一台一台タッチや音色が異なり、自分との相性があります。同じ型式の新品を購入したとしても、「何やら以前レンタルしていたものの方がよかった」というケースがないとも限りません。

レンタルピアノをやっている会社(特に楽器店)では、そこまでのレンタル料金を差し引いて購入できるサービスをやっているところもあります。借りているうちに、愛情が湧いてくることって、ありますからね。